「ChatGPTは意外とバカである。なぜなら、簡単な四則演算もできない。」と言われていた時代は、Code Interpreterによって完全に終わりました。最近OpenAIがリリースしたChatGPTの新機能「Code Interpreter」は、プログラマーのみならず多くの専門家にとって革命的なツールとして登場しました。ここでは、その新機能について詳しく見ていきたいと思います。

目次

Code Interpreterとは?

これまで、ChatGPTを最大限活用できたのは、プログラミングエンジニア界隈の人たちに限定されていたと思います。プログラミングコードを生成するのには長けていましたが、その他の専門的な領域ではそこまで有用ではありませんでした。というのも、数学が苦手で、ファイルのアップロード・ダウンロードはできない。グラフは作れないし、コードの直接実行もできない、など多くの制限があったからです。しかし、Code Interpreterはその全てを克服し、驚異的なツールへと進化しました。

Code Interpreterでできること

Code Interpreterでできることを使用例とともに解説します。

データ分析と可視化

1. グラフの可視化

CSVやExcel, データベースファイルなどをアップロードできるようになったことにより、ChatGPTがデータ解析を出来るようになりました。例えば、地球の平均気温を可視化させてみましょう。(データは気象庁のものを用います。)

CSVファイルをドラッグ&ドロップで読み込ませ、「可視化して」とお願いします。

code interpreterでできること:グラフの可視化

これにより、データの読み込み処理が開始されます。

その後ChatGPTに、それぞれの季節ごとに、同一のグラフ上に平均気温をプロットしてほしいとお願いすると、最終的に次のような出力が得られます。

code interpreterでできること:グラフの可視化

このように出力されたデータは画像として保存することができます。また、どのようなコーディングによってこれが出力されたのかを試したければ、「Finished working/ Show work」の白いタブをクリックすれば、詳細なコードが確認できます。

マップの可視化

Code Interpreterでは色々なタイプの可視化が可能です。例えば、世界地図上で特定の座標をマッピングするようなこともできます。ここでは日本をマッピングしてもらいました。

code interpreterでできること:マップの可視化

これは、ChatGPTがPythonの可視化ツールを用いてプログラミングを実行しているという流れになります。驚異的な進化ですね。

2. コーディング

当然ながらコーディングをすることもできます。これまでのChatGPTでもコーディングはできましたが、その動作確認は人間がする必要がありました。しかし、Code Interpreterの登場でその場で実行してもらうことが可能となりました。

例えば、株価を線形回帰予想するための機械学習プログラミングコードを生成させてみます。機械学習用のサンプルデータもChatGPTに適当に作らせました。

code interpreterでできること:コーディング

このように、プログラミングコードの生成に加え、実際に実行することが出来るようになったのです。

数式を用いた計算

これまで、「計算ができない、バカだ」と一部で散々言われてきたChatGPTですが、もうその時代は終わりました。試しに、量子力学を学ぶときの定番計算をさせてみます。

「シュレディンガー方程式を一次元の箱(長さa)について解くと、エネルギーの値はどうなる?」

と聞くと、次のような出力が得られました。この部分ではCode Interpreterは使われておらず、ChatGPTの知識に基づいています。

code interpreterでできること:数値計算

これにより、得られた式から条件を指定して計算をさせます。「a = 2 nm, n = 10としてエネルギーの値を計算してみて」とお願いしました。

code interpreterでできること:数式を用いた計算

すると、Pythonを使って数値計算をしてくれます。

プログラミングを「自分で組める」「自分で実行できる」という2つの強みを持つことにより、このように数式を用いた計算もできるようになりました。これにより、より多くの専門家が活用できるようになったわけです。

Code Interpreterを使う方法

さて、ここまでCode Interpreterの驚異的な能力を垣間見てきました。これを使うためには、まず「ChatGPT Plus」に登録する必要があります。

まず左下の「…」で表されているメニューアイコンをクリックしてください。

Code Interpreterを使う方法

次に、「Settings & Beta」をクリックすると次のような画面が立ち上がります。

Code Interpreterを使う方法

ここで「Advanced data analysis」をオンにします。これによりChatGPT上でCode Interpreterが使えるようになります。

ファイルのアップロードとダウンロードをする方法

さて、最後にCode Interpreterとファイルのやり取りをする方法を紹介します。これにより、ChatGPTを優秀な部下として使うことができますね。

ファイルのアップロード方法

ChatGPTにファイルをアップロードする方法は2つあります。

  1. ドラッグ&ドロップ
  2. 「+」アイコンからファイルを選択

チャット画面上にファイルをドラッグ&ドロップをすると、ファイルを渡すことができます。

また、下の画像のようにチャットを書き込むウィンドんの左端に「+」アイコンがあるので、そこからアップロードしたいファイルを選択できます。

ファイルをアップロードする方法

ファイルのダウンロード方法

ダウンロードするためには、ChatGPTにリンクを作成してもらいます。

特定のデータセットについて、どのような形式でダウンロードしたいのかを指示するとそのためのリンクを作成してくれます。

ファイルをダウンロードする方法