ChatGPTの出現により、世界の構造が変わろうとしています。ChatGPTのような生成AIは3億の仕事を自動化し、世界のGDPを7割押し上げると予測されているほどです。一方でChatGPTはまだまだ発達段階であり、万能ではないことに多くの人が気づいています。その代表格とも言えるのが「最新情報を処理できない」ことでしょう。「私のデータは2021年時点での情報しか持っていません」のような返答をもらったことがあるのではないでしょうか。

ChatGPTは2021年までの情報しか持っていない

OpenAI社もこの問題を解決するべく、有料利用者向けにWEBブラウジング機能がついたGPTを提供していました。しかし、著作権上の問題により、2023年8月現在はそれが使用できなくなっています。

ところが、いくつかの工夫により、この問題を解決することができるのです。本記事では、ChatGPTで2021年以降の最新情報を処理する方法を紹介します。

WebChatGPTで最新情報を処理する

ChatGPTはあまりにも有能であるため、多くの方は有料版を利用していることと思います。(参考:有料版と無料版の比較)ですが、無料版でもChromのプラグインを利用すれば最新情報を処理することができます。

そんなプラグインの代表格にWebChatGPTがあります。ここではまず、このプラグインの使い方を見てみましょう。

WebChatGPTのインストール方法

こちらのリンクから、「Chromeに追加」をクリックします。

WebChatGPTのインストール

すると、ChatGPTの画面にリダイレクトし、プロンプト入力ウィンドウの様子が変わっていると思います。

ChatGPTのプロンプト入力画面の様子

WebChatGPTでGoogleの検索結果を取得する

このプラグインの主な機能は、GoogleやYahooから検索した結果をChatGPTに情報として与えるというものです。(特定のページの情報を与えることもできます)

例えば、井上尚弥選手の試合情報について聞いてみます。

WebChatGPTオフの場合

WebChatGPTについて

オフの場合は、最新情報にアクセスできないのでその結果について教えてくれません。

WebChatGPTオンの場合

「Web access」がONの場合は、画像のように最新情報について正確に回答してくれます。これは、プロンプトに最新情報を与えるからです。

ChatGPTに組み込まれたプラグインで最新情報を処理する

上に紹介したWebChatGPTは大変優れた代物ですが、2つ欠点があります。

  • ChatGPT自身が検索結果を取得できない
  • 与えられる情報量に限度がある

WebChatGPTのChromプラグインが行なっていることは、あくまでも「ChatGPTに情報を与える」ことです。プロンプトとしてこちらが提供した情報を処理してもらうだけなので、ChatGPTそれ自体が自立して検索しているわけではありません。また、プロンプトとして情報を提供するので、トークン数が制限されている現在においては、その限度を超えることができません。

これらの問題を解決するには、ChatGPTに組み込まれたプラグインを使う必要があります。この機能を使うには、有料版を使用する必要があります。

ステップ1:プラグインをオンにする

ChatGPTでプラグインを使う方法

ChatGPTの設定から「Plugins」をオンにします。

この画面は、ChatGPTの画面左下の「…」ボタンから開くことができます。

ステップ2:「Web Requests」というプラグインをインストールする

現在、さまざまなChatGPTプラグインがある中で、ウェブブラウジングに関しては「Web Requests」が最も優秀です。

GPT-4にマウスオーバーすると、プラグインを使う機能を選択できます。まずは「Plugins Beta」をクリックしましょう。

ChatGPTのプラグインをオンにする

次に「Plugin store」から「Web Requests」をインストールします。

ChatGPTのプラグインをオンにする
ChatGPTでWeb Requestsをインストールし、最新情報を処理する

ステップ3:プラグインをオンにした状態で最新情報を聞いてみる

ここでは、先ほどと同様に「井上尚弥 vs フルトン」について聞いてみます。するとChatGPTは自立して検索を始め、最新情報に加えておすすめのWebページの紹介まで行ってくれます。

ChatGPTでWeb Requestsをインストールし、最新情報を処理する

このように、さらにワンランク上の最新情報処理を行うことができるのが「Web Requests」です。この機能を使うためにはGPT-4を使えるようにする必要があり、そのためには月20米ドルの支払いが必要になります。しかし、20米ドルという価格は、その機能を考えれば非常に安価であると私は考えています。

ぜひ、これらの機能を活用してChatGPTで最新情報を入手してみてください。